追記:Dorico v5.0.20以降、ポップオーバーでメトロノーム記号を指定した場合は、楽語にかかわらず常に固定テンポ変更と解釈されるようになったため、このページの手順は不要になった。
Doricoのテンポ記号には5つのタイプがあるが、その中で速度標語とメトロノーム記号との併記が許容されるのは固定テンポ変更(Absolute Tempo Change)に限られている。その他のタイプはあくまでも相対的な指示なのだから、テンポの絶対的な値を明示するメトロノーム記号と併記するのは不合理であるということであろうが、実用ではそうはいかない。
Più mossoやMeno mossoといった相対テンポ変更(Relative Tempo Change)に数字を添えるのは極めて一般的だし、A tempoやTempo Iなどのようにテンポをリセット(Reset Tempo)する場合でも、(特にTempo Iなど)リセットする先が遠ければ数字を添えておくことは十分にあり得ることである。
解決法
固定テンポ変更として、適当な速度標語をメトロノーム記号併記で入力し、テキスト部分だけ後で書き換えればよい。上記例であればShift + Tで表示されるポップオーバーに「Allegretto q=92」と入力し確定。画面下のプロパティパネルからテキストを「Allegretto」から「Più mosso」に書き換えれば完成。
参考資料
- Doricoフォーラム(英語版)のスレッド:tempo marking with “a tempo” and “piu mosso”